以下は、どちらかというとトランプを応援している筆者が書いた記事ですが、今回の米国際貿易裁判所の決定(トランプ関税は違法だから撤廃せよ!)について一般的な報道とは違った見方をしていますのでご紹介します。
この記事を読んだあと、ふと、トランプが裁判所にこのような決定を下すよう裏で動いたような気がしてきました。
自分の思い通りにならないと気が済まないトランプは、自分の政策が失敗だったことを国民の前で絶対に認めず責任もとりたくないため、裁判所を使ってトランプ関税を止めざるを得ない状況を作らせたように考えるのは考えすぎでしょうか。
トランプはウクライナ戦争もイスラエル戦争も停戦させられずにかき回すだけ、トランプ関税で米国民や他国民を苦しめ、今のところ良い結果となった政策は殆どなく、唯一、アラブのリーダーらからすばあしいいプレゼントをもらえたことぐらいが彼にとっての成功なのではないでしょうか。
それと、左翼のハーバード大学などから反ユダヤ主義を一掃するという口実で留学生を追い出していますが、全ての留学生=反ユダヤ主義と決めつけるのもおかしいですし、反ユダヤ主義は単なる方便であり、実際は大学から中国人スパイを追い出したいのでしょう。それなら中国人留学生だけを調査して疑いのある学生は追い出せばよいだけで、日本人留学生まで追い出し、やることがどうもちぐはぐです。米国の大学から中国人を追い出せば追い出すほど日本の大学に中国人留学生が流入し、米国から中国人移民を追い出したことで日本に中国人移民が急増しており、トランプは日本政府の移民政策を推し進めているようで本当に迷惑です。トランプは今回の裁判所の決定に対して控訴しているようですが、最終的に裁判所の決定を受け入れ、関税を撤廃するなら、政策の失敗を認めたくないトランプにとって非常に好都合でしょう。裁判所のせいにして責任を回避できるからです。同時に市場が活性化し景気も回復し、トランプがこれを成し遂げたということで支持率UPとなるでしょう。
トランプが、この後、どのように動くか。。。以下の筆者が予測する通りに動くかもしれません。米国の司法も政治と癒着していますし。

Trump's Tariff (E)scapegoat - by Quoth the Raven
 (概要)
5月29日付け

トランプ関税はスケープゴート:

トランプはやりたいときに関税からの戦略的な「撤退」ができるようになりました。
その場合でも彼は新しい取引協定を再交渉することもできます。

本日、米国際貿易裁判所は、米国の通商政策に関する(具体的には、国防上の理由から関税を課す権限を大統領に与える通商拡大法第232条に基づき、トランプが特定の輸入品にどうやって関税を課したかについて)発言権を持つことにしました。

裁判所は、これらの関税を本来の範囲を超えて延長すること(つまり、正式な手順を経ずに新たな国や新たな製品に追加関税をかけるなど)は、その権限の法的限界を超えていると判断しました。
そのため、トランプは裁判所の決定に対して控訴していますがトランプ関税は当面無効になります。

予想通り、左翼メディアの見出しは、この件に関して、「トランプのレガシーに対する打撃、彼の強硬姿勢に対する司法の叱責と表現しています。しかし、このことはトランプの経済アジェンダにとって致命傷ではなく、トランプが戦略的に考えるなら、実際には現時点で彼が要求できる最も都合のよい政治的ギフトの一つとなるかもしれません。

非常に挑戦的なトランプ関税の殆どが恒久的ということではありませんでした。それらはレベレッジ(目的を達成するための影響力」であり、交渉を強引にすすめ、線引きをして、米国が世界経済のドアマットだった時代が終わったことを知らしめるための無遠慮だが効果的な手段でした。その点では使命が達成されました。
中国、メキシコ、EU・・・全ての国々が交渉のテーブルに戻ることを余儀なくされました。
しかし、レベレッジには副作用が伴います:価格高騰、サプライチェーンの混乱、中西部の農家への影響、iPhoneの価格上昇、左翼からの愚痴や泣き言。
しかし今回の裁判所の決定のおかげで、トランプは戦略的なスケープゴートを手に入れ、それを利用して出口を見つけようとしています。もし彼が関税政策から方向転換したい、或いは、少なくとも関税率を下げたいのであれば、(トランプ関税が失敗し)彼が降参せざるを得ない状況であることを知られないようにそれを実行することができるようになりました。

そして彼はただ肩をすくめて、「私の手は縛られている。裁判所がそのように決定した。」と言うことができます。

それは既製のスケープゴートです。政治的にそれはゴールドです。彼は何も撤回する必要もなく、トランプ関税が障害になったことを「認める」必要もありません。彼はただ、うまく立ち回り、方向転換し、前進し続けるだけです。そして株式市場やメディアをしらけさせることはありません。

連邦裁判所は、トランプ大統領が非常事態法の下で大々的な関税を課すことを阻止する、とFOXのLiveNOWが報じました。

トランプが望むなら、自身の関税政策を擁護して気を散らすのではなく、次の取引協定を策定することに全エネルギーを集中させることができます。
彼は、世界貿易を再調整したことを自身の手柄とし、トランプ関税が役割を果たしたと言い、国際舞台で米国を再び尊敬される国にしたのは自分であると主張することができます。
裁判所は彼から権力をはく奪したのではなく、まばたきもせずに戦略を進化させる能力を彼に与えたのです。

そして、景気の上昇傾向も見落とせません。
関税率が縮小されたり恒久的に無効化されると、市場は今夜とは比較にはらないほど急騰するでしょう。既にNASDAQ先物は2%以上上昇しています。
市場はこの数カ月間、トランプ関税に関する不確実性の影の中に置かれていました。
その影がなくなると、突然、
株式市場に余裕が生まれ、株価の記録を更新するかもしれません。

債券市場も好機をつかむ可能性があります。
関税の引き下げによって債券利回りが下がるかもしれません。それは今非常に重要なことです。米国は膨大な債務を抱えており、利回りが下がれば、債務の返済がこれまでよりも容易になります。また、利回りがベーシス取引に継続的に与えている圧力も緩和されます。
※ ベーシス取引とは、 現物価格と先物価格の価格差(ベーシス)を利用して利益を得る取引方法で、裁定取引ともいう。

そうです。 トレードオフ(相殺取引)があります。
連邦政府は関税収入を失うことになりますが、 トランプにはそれを補うための歳出削減と債券利回りを再度低下させる時間がまだあります。 債券利回りの低下は、特に現在の金利の状況下では痛みを少なくして借金を借り換えることを可能にします。

この時点での財政責任は不可能ではありません。 ただ、厳しい決断をする政治的な意志が必要です。
誰かがエスタブリッシュメントに抵抗し、厳しい決断をする意欲を見せています。それはトランプです。
これは教科書のゲーム理論です。
現在、トランプは、最高の戦略的上昇傾向の中で政治的に最も抵抗が少ない方法を追及することができる立場にあります。彼は、トランプ関税を止めることで発生する余計な政治的コストを司法に押し付け、司法の圧力に勝利したと宣言し、新しい好都合な取引をまとめ、市場を活性化し、自身が始めたことをやり遂げた経済の巨匠として2025年を進ませることができます。

そして忘れてはならないことは、トランプの支持基盤はトランプ関税で彼に惚れたのではないということです。
彼らが彼を支持したのは、彼が誰も戦おうとしない戦いに戦ったからであり、米国が酷い仕打ちを受けていた部屋でテーブルをひっくり返したからです。
関税は手段であり目的ではありませんでした。
もし今、彼がより良い取引をして、米国に市場ブームを呼び戻す男に変わることができれば、支持者らも同じようにうれしいでしょう。

では、本日の裁判所の判決は?
確かに、書類上はトランプが効果的に使ったツールを制限しています。
しかし、私に言わせれば、それは敗北というよりはむしろチャンスです。政治的な好材料、市場的な好材料、財政的な好材料、全てそこにあります。トランプは、裁判所が彼のために蹴破ったドアを通り抜ければよいだけです。

彼のチームが好機を見出すことを願いましょう。

                      ↓
関連記事:

トランプ氏の通商戦略に打撃、米裁判所が関税の大部分を違法と判断 - Bloomberg
(転載)
 

トランプ氏の通商戦略に打撃、米裁判所が関税の大部分を違法と判断

2025529 19:21 JST


一時的でも関税が撤廃されれば世界経済の見通しが改善
トランプ政権は上訴する意向、判断がいつから適用されるか不明

米国際貿易裁判所がトランプ大統領の関税措置の多くを違法と判断し、政権の通商戦略は打撃を受けた。
同裁判所の判事3人から成るパネルは28日、トランプ氏が貿易相手国・地域に対する関税に1977年の国際緊急経済権限法(IEEPA)を不当に適用し、従って輸入関税は違法だと結論付けた。

この判断は、米国境を巡る安全保障や合成麻薬フェンタニルの取引を理由にカナダとメキシコ、中国に課された関税にも適用される。

政権側は控訴する意向を直ちに示し、最終的な判断は連邦最高裁判所に委ねられる可能性がある。

今回の判断は、トランプ政権が1期目に中国からの多くの輸入品に賦課した関税のほか、通商拡大法232条や通商法301条など異なる権限に基づいて鉄鋼・アルミニウム、自動車に賦課された関税には影響が及ばない。

トランプ政権は今後、関税政策でこうした通商法の活用拡大を余儀なくされるかもしれない。

国際貿易裁判所の判断がいつから適用されるかは不明。同裁判所は連邦政府に対し、10日以内に関税撤廃のための行政手続きを実施するよう求めている。

判断が無効とならなければ、中国への30%上乗せ関税、カナダおよびメキシコへの25%関税、その他多くの国への10%関税は数日以内に撤廃される見込みだ。

これらの関税と、それに対する報復措置への懸念は、米国および世界経済の成長を阻害する要因と見なされてきた。たとえ一時的でも撤廃されれば世界経済の見通しは改善する。

29日のアジア株は日本や韓国の株価を含めて上昇。米株価指数先物も値上がりし、米国債利回りはアジア時間からの上昇基調を維持した。ドルは一時伸び悩んだが、3日続伸の流れは継続。円とスイス・フランは下げた。

関税撤廃の可能性に投資家が歓喜する一方、裁判所の判断がトランプ氏の通商政策に恒久的な打撃となるのか、それとも一時的な障害にすぎないのかについては不透明だ。

また、トランプ政権が国際貿易裁判所の命令に従うかどうかも疑問だ。

ホワイトハウスのデサイ報道官は声明で「国家の緊急事態への適切な対処を判断するのは選挙で選ばれたわけでない判事の仕事ではない」と指摘。

長年にわたる貿易赤字は「米国の地域社会を荒廃させ、労働者を置き去りにし、防衛産業基盤を弱体化させるという国家の緊急事態を招いた」とし、関税の正当性を主張した。

トランプ政権は関税収入拡大を減税の財源としており、関税撤廃となれば、財政赤字への懸念が一段と強まる恐れもある。減税に伴う総費用は向こう10年で3兆8000億ドル(約554兆円)と想定される。

 

中国や欧州連合(EU)、インド、日本など米主要貿易相手国・地域は、トランプ政権との今後の交渉方針を再検討する可能性もある。

林芳正官房長官は29日午前の記者会見で、判決の内容や影響を「十分に精査しつつ、適切に対応する」と述べた。

オーストラリアのファレル貿易観光相は「不当な」関税の撤廃を強く訴えていくと述べた。

英国と今月達した米貿易合意も無効になる可能性はある。