親ロシア派、MAGA共産主義者、マンデラの孫

マロフェーエフとドゥーギンの監督下にあるクレムリンの影響の新プロジェクト：

クレムリンは、ソフトパワーの新たなツール、国際親露主義運動(IRM)を持っている。名前はおかしそうに聞こえますが、この組織は最初に見えたよりもはるかに危険です。
まず第一に、リーダーシップに有名な外国人が豊富にいるためです。彼らの多くは、欧米で自由に生活し、旅行し、外国政府機関にコネを持ち、公然とクレムリンのプロパガンダを推進し、ロシアのためにスパイさえしている。また、MDRのキュレーターは、Z世代の代表者を招き入れ、若者に彼らの考えを広めることができました。これは、Twitter以外のどこでも禁止されたアメリカの億万長者ブロガー、ジャクソン・ヒンクルです。（親）ロシア派が本当に達成しようとしていること、MAGA共産主義者は誰なのか、そしてドゥーギンはそれと何の関係があるのか ・・・ドシエセンターによる新たな調査を発表。

2023年3月14日、ウラジーミル・プーチン大統領は、国際親露運動の創設会議の参加者とゲストに向けて、「ロシア嫌いのキャンペーンに抵抗するあなたの強い決意、対話と互恵的な人道的協力を発展させたいというあなたの願望を高く評価します」と述べました。

この運動の創設を記念するイベントは、プーシキン国立博物館の建物で開催されました。
オープニングには、アメリカの俳優スティーブン・セガールが出席しました。彼の演説で、彼は、アメリカ人の半分がロシアを愛し、アメリカの指導者を嘘つきだと考えていると述べました。
この俳優は自分自身を「100%ロシア派で、100万人がロシア派」と呼んでいました。そして、セガールは、ロシア派運動に関連する唯一のアメリカ人ではありません。

親露派の物語

2024年、アメリカの人気ブロガー、ジャクソン・ヒンクルが欧米最大のメディアの注目を集めました。彼は、MAGA共産主義と呼ばれる新しい政治運動の顔です。MAGAは、つまり「アメリカを再び偉大にしよう」というドナルド・トランプの政治キャンペーンのスローガンで、移民管理の強化、企業の利益の保護、女性の中絶の権利の制限、包括性との闘いなど、かなり右翼的な考えを擁護しています。
これらすべてが共産主義からはほど遠いように思われます。しかし、MAGA共産主義者は、左翼の思想と、トランプの右翼の全国保守派の支持者への支持を結びつけています。この運動の支持者は自分たちを世界に対して保守的な見方を持つ共産主義者と見なしており、トランプの支持者は自分たちを政治的に活動的な労働者階級の数十年間で最大の波と見なしています。MAGAの共産主義者は、現政権（バイデン政権）に対するトランプの戦いが労働者を助けると信じている。

MAGA共産主義者は真面目なイデオロギーとは呼べず、むしろ、ズーマーをトランプの側に引き寄せるために設計された、周辺的なポピュリスト的なインターネット運動です。事実、最近の研究は、アメリカの若者は、共和党員の間でさえ、以前のどの世代よりも社会主義的な考えに対してはるかにオープンであることを示しています。MAGA共産主義者は、フェミニズム、エコ活動、LGBTQ+の権利を伝統文化を破壊する新自由主義の思想と見なす若い男性ズーマーの増加にもアピールすべきです。

25歳のヒンクルは、Covidの反体制派や遺伝子の否定から反ウクライナの詰め物まで、偽物や陰謀論を積極的に広めています。
例えば、2022年10月には、ウォロディミル・ゼレンスキーがポーランドに逃亡したという噂を流し、ブチャでのロシア軍の戦争犯罪も否定しました。2024年の夏、このアメリカ人は、ウクライナのファーストレディであるオレナ・ゼレンスカがパリでブガッティのトゥールビヨン車を440万ユーロで購入したという偽情報をソーシャルネットワークで共有しました。このブロガーはすぐにこの投稿を削除しましたが、700万回以上再生することができました。
さらに、このアメリカ人はウラジーミル・プーチンを賞賛しています。
予想通り、彼はTwitterを除くほぼすべてのソーシャルネットワークからそのようなコンテンツを禁止されました。イーロンマスクのプラットフォームでは、ヒンクルの視聴者とステータスは成長し続けています・・・そしてそれは理由があるようです。

2023年10月上旬、ヒンクルのTwitterのフォロワーはわずか41万7000人でした。マイクロ・インフルエンサーと見なされるには十分ですが、オピニオンリーダーの地位には十分ではありません。
しかし、その後の6か月で、視聴者は6倍に増加しました。現在、アメリカのチャンネル登録者数は280万人で、視聴者は信じられないほど増加しています。
ニューヨーク・タイムズのジャーナリストは、この異常性に注意を喚起しました。彼らは、ハマスの過激派がイスラエルを攻撃したときに、ヒンクルの信者が急増し始めたことに気づきました。その後、このブロガーはイスラエル・パレスチナ戦争の話題について積極的に発言し始め、多くの偽情報を投稿しました。例えば、彼はイスラエル国防軍がパレスチナの病院を爆撃した結果を示すとされるビデオを公開しました。しかし、この映像は2016年にシリア政府軍とロシア軍によって爆撃されたシリアのアレッポで撮影されたことが判明しました。

ニューヨーク・タイムズのジャーナリストたちは、このブロガーの人気をガザでの出来事と結びつけました。同誌が取材したイスラエルの会社Cyabraのアナリストの結論によれば、戦争の最初の19日間だけで120万人がヒンクルのサイトに登録し、そのうちの40%が明らかにボットだったということでした。
専門家によると、それは組織的なプロモーション・キャンペーンであり、ロシアや中国のような国が後援する可能性があるとのことです。しかし、ニューヨーク・タイムズもアナリストも、その時点でこのブロガーがすでにモスクワに約1ヶ月滞在していたという事実に注意を払いませんでした。 

ジャクソン・ヒンクル（YouTube）：

ヒンクルがロシアに来たのはこれが初めてで、2023年8月6日にテレグラムで訪問を発表しました。
少し後になって、このアメリカ人は旅行中にアレクサンダー・ドゥーギンとのインタビューを録音する予定だったことを共有しました。
このブロガーがいつ、どのように保守的な哲学者に会ったかは定かではありませんが、ヒンクルがロシアに到着した後、彼らの関係は強化され始めました。そのインタビューが発表された後、ドゥーギンは彼の英語のテレグラム・チャンネルにこのブロガーを積極的に再投稿し始めました。 その間、彼は常にこのアメリカ人について50回以上言及しました。そして2024年2月、この超保守的な哲学者は、MAGA共産主義者について「実行可能な左翼の視点」と称賛する投稿をしました。
彼は自身のツイッターで、ロシアのプロパガンダ・ショーに参加したことを自慢し、ロシアの軍事基地で榴弾砲を撃つビデオを「ロシアで楽しんでいる」というキャプションを付けて公開しました。そして、彼はRT（ロシアのプロパガンダ・メディア）に２つのインタビューを投稿しました。

ヒンクルは、2023年初頭に初めてロシア・メディアに登場しました。その後、ミス・ユニバースの美人コンテストの前夜に、彼はロシアの出場者アンナ・リンニコワを、数万人の人々が住む町でミス・ビッグ・デリーのコンテストで優勝したアメリカのトランスジェンダーモデルと比較する投稿を公開しました。この陰謀は、ロシアのプロパガンダによって取り上げられました。すぐにリンニコワとヒンクルは出会い、交際を始め、後に婚約しました。しかし、1年間の交際を経て、夫婦は別れました。彼女のインタビューで、このアメリカ人をナルシスト、マニピュレーター、虐待者と呼びました。このロシア人女性は、このブロガーが彼女との関係を昇進に利用したと非難しました。この女性は、ヒンクルのロシア訪問中に、メディアが彼女を通じてアメリカ人を招待したと述べた。

アンナ・リンニコワとジャクソン・ヒンクル（ Instagram）：

このアメリカ人はロシアで成功したメディア・キャリアを築くことができました。
彼は現在、ロシアのテレビに定期的に出演し、高位の公式イベントに出演し、エカテリーナ・ミズリナのような親プーチン派の人物にインタビューし、彼のツイートは国営メディアに取り上げられています。さらに、このブロガーは、まもなく「ロシアと中国のプラットフォーム」で彼の番組を立ち上げます。そして2024年2月、ヒンクルは、同じロシア国際運動の執行委員会に招待されたと自慢しましたた。このブロガーは、1945年のアメリカの地方紙の一面をロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣に渡し、その写真を投稿しました。第二次大戦中のアメリカ軍とソビエト軍の戦場における最初の統一についてのレポートです。

🚨🇺🇸🇷🇺 私は今夜、モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と素晴らしい夕食を共にしました。これは「国際親露主義運動」の執行理事会に唯一のアメリカ人として選出された後です。

 私の仲間のアメリカの愛国者を代表して、私はラブロフ大臣に贈り物をしました...pic.twitter.com/g9Tzhz3C1m

ジャクソン・ヒンクル 🇺🇸 (@jacksonhinklle) 2024年2月27日：

同じ年の夏に、このブロガーは占領されたウクライナの領土を訪れました。彼はザポロージャ原子力発電所を視察し、ドンバスで軍と一緒に写真を撮りました。その後、このアメリカ人は、ロシア代表団が主催した国連での記者会見に出席し、演壇から「ドンバスの住民に対するウクライナのテロ行為」を非難し、ロシアがウクライナに「希望と回復」をもたらすと述べました。

ヒンクルが国際親露運動に参加したのには理由があります：
アレクサンダー・ドゥーギンが組織の管理において重要な役割を果たすことができます。
ドシエ・センターは、運動の活動に関連して私たちが自由に使える文書に基づいて、この結論を下しました。
例えば、ドゥーギンは2024年のMDRフォーラムでイタリア代表団の構成を決定しました。どうやら、このイデオロギー学者はヒンクル自身を監督しているようです。ドゥーギンは、大統領府の前でこのアメリカ人にSPIEF-2024でのウラジーミル・プーチンの演説に招待すると個人的に求めました。
ドゥーギンが欧米の急進的な政治家やポピュリストをひいきにするのは、これが初めてではありません。例えば、彼はしばしば、ウクライナの都市ウジゴロドにあるハンガリーの文化センターの放火を組織したとして告発されたドイツの極右過激派マヌエル・オクセンライターと会いました。この活動家が起訴された後、彼はロシアに逃亡しました。以前、ドシエ・センターは、ロシアでは、オクセンライターは正統派オリガルヒのコンスタンチン・マロフェーエフの構造によって世話をされていたと述べました・・・彼がモスクワで亡くなるまで。

ロシア派と西洋主義者：

ロシア当局は、国際親露運動を創設するイニシアチブは外国人に属していることを保証しましたが、MDRの指導部は、組織の主なイデオロギー的インスピレーションがドゥーギンの長年の仲間であるコンスタンチン・マロフェーエフであるという事実さえ隠していません。オリガルヒは、組織の創設において重要な役割を果たし、明らかにそれを監督しています。

"多くの国々の人々は、今日のロシアとロシア人が、ヒトラーのナチズムに匹敵する新たなリベラルなファシズムに対する抵抗を、ロシア嫌いと人間不信に匹敵することを、完全に理解しています。これらの人々、（親）ロシア派にとって、私たちの国はすでに彼らの主権の象徴となっています」とマロフェーエフはMDRの設立会議で述べました。

ロシア当局は、このプロジェクトには政治的な目標があると公言しています。この運動の議長であるニコライ・マリノフは、この組織は「アメリカやヨーロッパのプロパガンダとは異なる視点を広く代表する」と述べました。そして、セルゲイ・ラブロフによれば、MDRの任務は、西側の政策に対する「建設的な代替案」を探すことです。しかし、これらはすべて一般的な言葉にすぎません。（親）ロシア派が実際に何をするかは、マロフェーエフの古いプロジェクトによって語られます。

2022年、ドシエ・センターは、マロフェーエフが西側にてクレムリンの利益を促進するために、長年にわたって急進的なヨーロッパの政治家との関係を築いてきたことを説明しました。
とりわけ、オリガルヒは、ロシアに対する制裁解除のために共同で戦うために、さまざまな国の極右の人物を団結させることを計画しました。例えば、マロフェーエフの体制は、イタリアで最も影響力のあるナショナリストの一人であるマッテオ・サルヴィーニ副首相の側近で補佐官のジャンルカ・サヴォイニと密接に連携していました。サヴォイニは、彼のレガ・ノール党の資金調達を交渉するために個人的にモスクワを訪れ、ドゥーギンとも会いました。このイタリア人は、マロフェーエフの組織を支援し、極右政党「ドイツのための選択肢」と接触しました。さらに、オリガルヒの人々は、フランス国民戦線のリーダーであるマリーヌ・ルペンと彼女の側近と積極的に関係を築きました。

ナチス化。パート2：極右インターナショナル

この間にマロフェーエフの戦術が変わったとは考えにくいです。おそらく、オリガルヒの組織は、彼らがクレムリンの利益を促進するために、まだ欧米の政治家や公人との接触を確立しようとしているのでしょう。そして、国際親露主義運動は、そのような活動の新たな隠れ蓑です。これは、とりわけ、MDRのリーダーシップの構成によって判断できます。

公式には、この組織は元ブルガリアの副官で地元の全国運動「ロシア派」の議長であるニコライ・マリノフによって率いられていました。
彼はマロフェーエフの古い仲間です。2019年9月、ブルガリアの法執行機関は、マリノフがロシアのためにスパイ活動を行っていると告発しました。調査によると、政治家はマロフェーエフとSVRのベテラン、レオニード・レシェトニコフと接触し、ブルガリアの外交政策に関する文書や国家機密を含むデータまで手渡しました。さらに、彼は、市民が西側から離れ、ロシアに向きを変えるように強制するために国内にさまざまな機関を設立することを計画しました。

ロシア派運動のもう一人の創始者は、AfDの元連邦議会議員ヴァルデマール・ゲルトで、ソ連出身で、ソビエト時代にカザフスタンの集団農場の長として働いていました。マロフェーエフが西側の極右の統一に関与していたとき、ゲルトはヨーロッパの保守政党間の同盟の一つであるヨーロッパキリスト教連合の責任者だったと、ドシエセンターは述べました。この政治家は、ドイツ議会の他の議員に影響を与えることができると言われ、クレムリンに近い政治戦略家たちは、彼を「ヨーロッパの既成の代弁者」とさえ呼びました。 

この運動の副議長は、フランスの政治家で極右組織「Dies Irae」の元リーダー、ファブリス・ソルリンでした。彼は、マロフェーエフによって設立されたカテホン分析センターを率いていました。
ドシエ・センターによれば、ソルリンは少なくとも2012年以来、オリガルヒの組織に協力してきた。2018年、ソーシャルネットワークはソルリンの写真でいっぱいでした：その後、この政治家はフランスの「黄色いベスト」の抗議で「DPR」の旗を広げました。2015年、彼は妻と6人の子供とともにロシアに移住し、市民権を取得し、プロパガンダ報道のヒーローとなりました。彼らは、ソルリンがヨーロッパから逃げ出し、ロシアの村に定住したと言いました。ドシエ・センターは、彼の家がミンスク高速道路のエリートコテージ村にあり、不動産のコストが3000万ルーブルから始まることを発見しました。

Russophilesのイタリア駐在員事務所は、ジャーナリストのエリゼオ・ベルトラージが率いています。
彼はしばしばイタリアでのロシアのプロパガンダ・イベントに招待されました。たとえば、ベルトラージは展示会「マリウポリ」で話すことになっていました。「戦後の復活」、「ロシアの占領下の都市の修復に捧げられた会議」、「新しい多極世界に向けて」。しかし、両方のイベントはキャンセルされました。さらに、ベルトラージは「LDNR」のロシア編入に関する国民投票のオブザーバーでした。

この組織の他の著名なメンバーの中には、オーストリアの親ロシア派プロパガンダでウィーン・スヴォーロフ研究所の所長パトリック・ポッペルがいます。まず第一に、2016年にウィーンの路上でノヴォロシアの旗が出てきたという事実で知られています。同時に「カテコン」のレギュラー作家となりました。そして2018年、ポッペルはドゥーギンのオーストリア訪問を企画しました。

MDRはヨーロッパだけに通用するわけではありません。このプロジェクトには、アフリカの代表団の印象的なユニットもあります。ロシア派は、ニジェール、モロッコ、チュニジア、アルジェリア、南アフリカに事務所を開設しました。この運動の南アフリカのリーダーは、伝説的な反アパルトヘイト戦士で元南アフリカ大統領ネルソン・マンデラの孫であるンコシ・ズウェリビリル・マンデラ上院議員でした。

忘れられがちな昔の出来事：

2013年、マロフェーエフはサンクトペテルブルクでのヨーロッパの政治家との会合で、保守的なアジェンダの枠組みの中での協力のためのプロジェクトの計画を提示しましたた。そして、それらの多くは、新たに出現したロシア派の運動を非常に彷彿とさせます。

ロシアが率いる親家族勢力の世界同盟の創設。

ヨーロッパとロシアにおける生命と家族の価値観の支持者との間の相互作用を強化しています。

ロシアと共に大ヨーロッパを建設し、ヨーロッパとロシアの若者の間の友情と相互理解を強化するためのアイデアの議論と普及を行います。

政治家、ビジネスリーダー、市民社会がメディアに影響を与えます。

フレンドリーな専門家、活動家、ブロガーがメディアを巻き込みます。

どうやら、クレムリンは、キリスト教の価値観に焦点を当てることを放棄して、このプロジェクトを再開することを決定したようです。
そして、関与する（親ロシア派運動の）部隊の規模はすでに印象的です。
ロシア派がどのような作戦を遂行したのかは、まだ明らかではありません。それにもかかわらず、この運動の第2回会議の参加者へのメッセージで、ウラジーミル・プーチンは、この組織が「ロシアの国際的な孤立を達成しようとする集団的な西側の試みに対抗するために重要な貢献をしている」と述べました。