メディアが伝えるニュースの中で、言葉のトリックが用いられています。
今回のシリアに関する米ロ共同声明でも、メディアはCeasefireと言う言葉を盛んに使っていました。しかし米ロが合意した内容は、Ceasefireではなかったようです。それは、単なるCessation of Hostilities或いはTruceだったようです。CeasefireとCessation of Hostilities或いはTruceは、日本語版の辞書にはどちらも同じ停戦や休戦と訳されており、これらの言葉の意味の違いが良くわかりません。
それで。。。英語版の辞書をちょっと眺めただけですが、勝手に解釈すると、CeasefireとCessation of Hostilitiesは、停戦に対する重みが違うようです。
日本語で停戦というのはきっと長期にわたる完全なる停戦ですが、Cessation of Hostilitiesは(勝手に訳すと)、どちらかというと一時的な休戦であり、全面的に休戦するのではありません。ですから、米ロ停戦合意と言われたものの、今でもシリアでは戦闘が継続されています。
一体、米ロは何を考えて共同声明を行ったのでしょうか?単なるパフォーマンスでしょう。その間に、互いに戦力を増強し戦略を変えて敵を破壊する準備をしているのでしょう。

http://tapnewswire.com/2016/02/media-tricks-what-russia-agreed-to-in-syria-is-not-a-ceasefire/
(概要)
2月27日付け

メディアのトリック・・・シリアに関してロシアが合意したのは停戦ではありません。

シリアに関する米ロ停戦合意の意図するものとは。。。停戦ではありません。それは。。。ロシアが自由シリア軍とその背後にいるアメリカを、ロシアが空爆中の聖戦士テロリスト集団から分離させるために仕掛けたものでした。
米ロ停戦合意は世界的に大きな関心を呼んでいます。しかしシリアに関する米ロ共同声明は停戦を宣言したものではありません。

Russian-Foreign-inister-Sergei-Lavrov-and-US-Secretary-of-State-John-Kerry-532x270

(共同声明を行ったラブロフ外相とケリー国務長官)

この2人が合意した内容は停戦ではありません。公式文書にもそのようなことは書かれていません。付属文書にはほんの少しだけそれに触れていますが。。。

停戦とは当事国の合意によりあらゆる戦争行為を完全に停止することを命令するものです。
しかし公式文書にはそのようなことは求めていないばかりか、ロシア軍とシリア軍がシリアの聖戦士テロリスト集団(=国連安保理によってテロリスト集団として特定されている)に対し軍事攻撃をすることを正式に許可する内容が書かれているのです。

今でもシリアでは軍事攻撃が続いているのですから停戦合意ではないはずです。実際に、米ロ共同声明では停戦(Ceasefire=完全に全面的に停戦することが正式に合意される。)という言葉は使われず、休戦?(Cessation of Hostilities或いはTruce=協議中に一時的に休戦することが許されるが全面的な休戦ではない。)という言葉が使われていました。
現在もロシア軍と戦争を行っている聖戦士テロリスト集団には、ISIS、アルヌスラそしてシリアのアルカイダ系の集団が含まれます。
ロシアは聖戦士テロリスト集団のみ空爆を行っていると主張していますが、休戦の対象外がこれらの聖戦士テロリスト集団です。

ロシアは既に非聖戦士反政府武装集団と連携し、聖戦士テロリスト集団に対してより効率的に空爆が行えるよう必要な情報を彼らから入手しています。


しかし、アレッポの反政府武装集団のメンバーの大部分は、休戦の対象外である聖戦士テロリスト集団の元メンバーです。
従って、米ロ共同声明ではロシアによる空爆を制限していません。
つまり、米ロ共同声明によってアレッポや周辺地域の状況が変わったわけではありません。

欧米諸国はロシアに対してISIS、アルヌスラ、アルカイダ系以外の武装集団との停戦に応じるよう強く要請したのですが、ロシアはそれを拒否しました。
そのため、米ロ共同声明の内容はロシアの意向を反映した形になりました。

実際にロシアは、2011年以降、シリアでテロ攻撃を続けてきた様々な聖戦士テロリスト集団を除くシリアの武装集団間の停戦を仲介しようとしました。
これまでも何回も休戦合意を試みましたが全て失敗に終わっています。
なぜなら、アメリカを含む欧米諸国、トルコ、湾岸諸国及びシリアの反政府側が休戦協議を始める前にアサド大統領を解任させるように主張したからです。
しかしロシアとシリアは体制変革に合意しませんでした。シリアの体制変革に合意するということはロシアの外交の基本方針に反するものです。
今回の米ロ共同声明も休戦の仲介を試みるものですが、ロシアは自由シリア軍などの正当な反政府武装集団とロシアが空爆している聖戦士テロリスト集団を分離しようとしていることが分かります。そのために反政府武装集団に対してのみ2月26日からの休戦を要求したのです。
http://russia-insider.com/en/military/russia-did-not-agree-ceasefire-syria/ri13012