日本には生産性のない請負業者が労働者を左から右に転がすだけで大儲けをしています。
こんな業者が多数存在する日本は益々衰退します。これらの業者は存在するだけでお金がもらえるという、何も役に立っていないばかりかこの国に悪影響を与えています。
派遣会社から請負業者まで、なんと無駄な業種が多いことか。。。どうしてこうなってしまったのでしょうね。
大元の会社が直接雇用をすればよいのに、派遣会社や請負業者を介して労働者をこき使います。何かがあった時に責任を逃れたいからでしょうけど。これでは悪循環が止まりません。
非正規も正規と同じように直接雇用されるようにならなければ働き方の改革などできません。
さてと、今夜から月曜日(7/2)まで山に行ってきます。帰宅は月曜日夕方になりますのでその間ブログ更新はお休みさせていただきます!
http://blogos.com/article/307660/
「ピンハネ」が、日本を貧しくしている。
懸案の「高度プロフェッショナル制度」を含む労働基準法改正案、28日中に参議院厚生労働委員会で採決されるかどうかで、与野党の攻防が激化しています。
この記事が皆様の目に入るときどのような状況になっているか、なんとも言えません。
年収・職種などの要件が適合する労働者については残業代を支払わなくてもよいなど、労働基準法の適用除外を作る制度ですが、非正規雇用が進み労働環境の問題が多々指摘される今の日本において、労働規制を緩和する方向の労働基準法改正が本当に正しいのか、疑問が持たれています。
現在の日本の労働環境の悪癖のひとつが「ピンハネ」です。
私は元IT技術者であり、多重請負という、ピンハネと言われても仕方がないような労働環境で長らく働いてきました。
また多重請負は建設業界でも同様の課題であり、建設契約を頻繁に行う自治体にとっても他人事ではありません。
今回は、この多重請負の問題を論じてみます。
生産性の上がらない「多重請負」
多重請負の構造についてご説明しておきます。
これはIT業界を念頭においていますが、建設業界でもほぼ同様の構造があろうかと思います。
システム開発をしたい発注元が、大手IT企業A社に発注をします。
しかしA社では、開発に必要な人員を常には抱えていません。
専門職はコストが高い上に、「その専門性が必要なとき」以外は役に立たないので、できるだけ手元に抱えておきたくないのです。
そこでA社は、他社に声をかけて技術者を調達します。
本来、他社と契約して人材を派遣してもらうのは派遣契約であるべきですが、よりコストを削減するため「業務委託契約」によって「人貸し」をすることが常態化しています。
本当に専門性が高いプロフェッショナルと業務委託契約を行うことは、顧客に対するメリットを提供することになるため、一概に否定はできません。
しかしそうではない、単なる「人貸し」で「人材調整弁」にしているケースが非常に多いのが実状です。
このような構造は、どのような問題をもたらすのでしょうか。
(1) 実際に働く技術者に、十分な給料が渡されない
これは、上図を見れば一目瞭然。
会社がひとつ挟まれば、そこで当然「中抜き」が起こります。
4次受け・5次受けなんてことになれば、いったいどれだけ「中抜き」されることか。
ネットで見かけた事例では、発注元に提示された月単価が100万円の技術者が、実際に受け取っている手取り給料が20万円台だった、といった事例も目にしました。
こんな状態ではモチベーションも上がらないし、この会社・このプロジェクトに長く貢献しようという気も起こらないでしょう。
それは結局、成果物のクオリティにも影響するでしょう。
(2) 労務管理が曖昧になりがち
発注元は、上図の構造で常駐してくる技術者に直接指示を出してはいけません。
発注元はA社と開発契約をしているのであり、技術者の管理はA社の責任です。
(しかし実際には、発注元が手元にいる技術者に指示をしている「偽装請負」も多々あると思われます)
つまり発注元としては、技術者がどれだけ長時間労働していようが、関知するところではないわけです。
しかし、A社も業務委託契約で下請けから人材を調達しているので、実はA社も労務管理をする責任はないことになります。
そうすると、労働基準法が守られているかどうかって、どこで見ているんですか?という状態に容易に陥るわけですね。
(3) 報酬と成果物のクオリティがリンクしなくなる
ここが、件の「高度プロフェッショナル制度」とかかわってくるところです。
A社は、開発契約によって契約金額を決め、成果物によって発注元から売上を立てます。
しかし、人材を供出しているB社〜G社は何によってA社から売上を立てるかというと、
「技術者一人あたり単価 × 時間」
で売上を立ててるわけです。
単純に、技術者が働いた時間が売上に換算されるのです。
ここが超重要。
B社〜G社の立場としては、当然技術者の労務コストを払わなければなりません。残業すれば残業代を出さなければなりませんし、有給だって取らさなければなりません。
しかしA社の立場としては、発注元と契約した契約金額は決まっているわけで、その中でもしB社〜G社にダラダラと残業されたり、トラブルを起こして開発期間延長なんてことになったらたまらんわけです。
しかもそうして費やした時間は、成果物のクオリティとは多くの場合リンクしません。
ここに至って、各社が、「時間ベースで人件費を払わなくて済むやり方がほしいなぁ」と考える動機が生まれるわけです。
ここで「高度プロフェッショナル制度」が求められるわけです。
しかし、よく考えてください。
コスト高になる原因は、上記の構造そのものにあるのではありませんか?
きちんとクオリティ管理・スケジュール管理ができる優秀な人材を自社で育成することを怠り、下請けに丸投げしていたら「生産性が低い」のは当然です。
原因を現場の働く人に転嫁し、もっとこき使うための制度を作ろうなどと、本末転倒もいいところだと思います。
官製ワーキングプア防止を求めて
この3月の板橋区議会予算委員会で、私は「官製ワーキングプア防止を求めて」と題して質問を行いました。
以下は、そのときに提示したグラフです。
板橋区の正規職員の平均給与と、板橋区の施設の管理を委託されている会社「指定管理者」に勤務する被雇用者の平均給与の、平成24年度〜平成28年度の推移を比較したものです。
区の正規職員の平均給与は、平成26年度まで下落していますが、その後回復しています。
しかし、指定管理者の職員の平均給与は、平成25年度以降、ずっと下がり続けています。
これはおかしくありませんか?
景気回復基調と言いながら、同じ板橋区の仕事をしながら、指定管理者の職員の給与が下がり続けているのは。
公共の仕事で安く買い叩かれる「官製ワーキングプア」防止のために、「公契約条例」を定めて、報酬の下限額など待遇条件を条例で定め、自治体が非正規職員の待遇に責任も持とうという動きが広がっています。
東京都では、渋谷区、世田谷区、目黒区、千代田区、足立区、多摩市、国分寺市、日野市などで制定されています。
板橋区でも公契約条例を制定するべきと予算委員会で主張しましたが、色よい返事はいただけていません。
板橋区を公契約条例制定に向けて動かすためには「事例」が必要だと思っているところです。
板橋区の仕事をしていて、何かひどい契約をさせられた、劣悪な労働条件だった、というような事例をご存知でしたら、ぜひ私までご連絡ください。
経済成長とは、GDPが伸びることか?
最後に、もう一度多重請負の図を思い出してください。
これらの会社、それぞれが売上を立てています。法人税も払っています。
つまり、この構造のもとでもGDPは伸びるし、税収も伸びるのです。
現場の人材をこき使い、「ピンハネ」を常態化させてGDPを伸ばし税収を伸ばすことが「経済成長」なのでしょうか?
これからの日本の働き方を、一緒に考えませんか